RGB画像とCMYK画像について

 ●光の三原色と色の三原色


知ってる人も多いと思うけどRGB画像というのは
光の三原色(赤青緑)で出来ています。
それらをイイ感じに混ぜ合わせて色を出しています。


対してCMYK画像は
色の三原色(シアン、マゼンタ、イエロー)と黒で出来ています。

印刷物をどアップにすると
この4色の網点の集まりなのがわかります。


理論上は純粋な3原色を混合すると黒になります。
が、実際には印刷用のインクは純粋な原色ではないので黒色になりません。一番上に乗っかるインクの色も影響するし。
なので黒色のインクが必要なんだとか。

 ●RGB画像の仕組み

アッセンブルボーグ


ドウームダイバーのRGB画像。

チャンネルに赤、青、緑があります。
その3枚を合成したのが一番上のRGBです。

RGB画像


チャンネルの画像はグレースケールですが
これらが、それぞれ赤、緑、青の色光のデータです。
色を付けるとこんな感じです。


※色の付いた画像3枚ををフォトショの「スクリーン」で重ねてみると、ちゃんと元の色になります。


3つの円が重なってる画像っぽくするとこうなります。
わかりづらいね。なんでこの画像を選んじゃったのかな。

とにかく3色の光が重なって画像が出来てるわけです。

 ●CMYK画像の仕組み

4色分解


で、この画像をCMYK変換したのがこれ。
チャンネルにシアン、マゼンタ、イエロー、黒があります。

4色分解


こちらもチャンネルはグレースケール画像です。
それぞれが
シアン、マゼンタ、イエロー、黒になり
合成されて上の画像が表示されます。



※色付き画像4枚をフォトショの
「乗算」で重ねると元の色になります。


3原色だけだと左図の感じです。
で、黒を合成すると元の画像に。


プリンターで途中でインク切れすると
こんな感じになるよね。

大体こんな感じで、色を作る仕組みが違います。
で、RGBモードで作った画像を印刷するにはCMYK画像に変換(4色分解)する必要があります。
CMYKはRGBよりも色域が狭いためRGB画像の色を全部は再現できず、近似色にするので画像の色が変わってしまいます。

 ●色版の修正

上のドームダイバーの画像は変換してもあまり変化してませんが、彩度の高い色がある画像だと問題が起きます。

ASSEMBLE BORG

「ゴーストガンナー」パッケージのRGB画像です。
これをCMYK変換すると銃口辺りが下右図のようにへんな感じになっちゃいます。
中央に向かって明るくなっていくのに、途中で緑やピンクが強く出て明度が落ちています。
モニターではわかりにくいかもしれませんが、印刷するとけっこう目立ちます。

 

チャンネルを見てみると
グラデーションの途中でイエローが強くなって、色と明度の変化がおかしくなっています。
マゼンタにも変なフチができてるし。
もちろん元画像にうっすら赤や緑があったからこうなってるのですが、こんなに強調するなよ、て事です。


で、イエローの不要なとこを消します。
あとマゼンタのも。


元通りにはならないけど、これでちょっとはマシになります。
チャンネル画像をいじる以外にも手はありますが
この方法が手っ取り早いので多用しています。

ちなみにRGB画像の時のチャンネルはこうなっています。
この色光の重なりで作った色をインクの4色で再現しようとするので色々と無理が。

今は、てゆーかもう10年以上前からRGB画像で入稿すれば
印刷所のオペレーターの人がイイ感じにやってくれたりします。
家庭用のプリンターでも割と上手く変換してたりする。
でも私は一応自分でやるようにしています。やっぱ自分でコントロールしておきたくて。
そもそもあんまりどぎつい色使うなよって話ですが、でも使いたいんだよ。
絵具では出しにくい色とかを。


長々とわかりにくい説明をしてしまって申し訳ない。

要するにアッセンブルボーグのCG写真集を電子書籍で出したのは
できればRGB画像で見てもらいたい、てのも理由のひとつなんですよ、という事で。
だからパッケージとか写真漫画などの印刷物用の画像も、4色分解前のRGB画像を収録しています。

あとね、印刷に関しては
4色に加えて特色があったりとか(グラビアの肌用に蛍光ピンクの版を加えるとか)
黒い部分は黒100%だけではなく赤版と青版に工夫をすると、より深い黒色が出せるとか色々あるのですが
私の中途半端な知識では余計にややこしくなるので、終わり。