撮影と合成について-03

 ●バロンの壁破壊

バロンはパワータイプのキャラクターです。

パワーの視覚化には
物を破壊するとか重たい物を持ち上げるとか筋肉自慢とかがありますが
パッケージ画像は壁破壊でやっております。

アッセンブルボーグ


パッケージ画像のラフ。破片は3DCGです。
間に合わせに作った物なので
かなりちゃちですが。

 


フィギュアの写真。背中に軸を刺して固定。
ラフと同じに撮影しようとして上手くいかず、
結局ラフに使った写真を丁寧に切り抜きなおして本番で使いました。
たまたまイイ感じに撮れた写真の再現は難しいです。
当時はまだコンデジだったし。


壁の破片は石膏で作ったガレキをこんな風に並べて何枚か撮影します。

壁の破片壁の穴


使えそうな形の破片を切り取ってラフを参考に合成していきます。
今の3Dソフトならこういうのも楽に作れるのかな。知らんけど。

大きい破片は何層かのレイヤーに分けて、
その間に細かい破片や煙のレイヤーを加えています。

破片の影が壁に落ちてないけど?って話ですが
そんなもんは壁を壊した勢いで知らんぷりだ。

南海電車の高架

あと、コンクリの壁は南海電車の高架を真下から撮ったものです。

 ●フィギュアのポージング

パッケージにしろ壁紙にしろ
CG写真の目的はアッセンブルボーグをカッコよく見せる事です。

そして完成画像の成否の半分以上はポージングにあると思っています。
この場合のポージングはカメラのレンズを通した見たポーズの事です。


手元でカッコいいポーズをつけても写真に撮ってみると
あれ?てなる事があります。
同じポーズでもレンズの画角によって
かなり見た目が変わります。

できるだけ最初の印象に近い状態になるように
カメラをセッティングします。

(肉眼で見てる時って網膜に映った像を脳内補正しているので
単純に距離や画角だけの問題では無いですが)

ASSEMBLE BORG NEXS

で、カメラのモニターを見ながら色々微調整します

例えばこの1枚目の画像、
「斜め上前方を攻撃しようと銃を構えつつ走る」を上から見てる図ですが
もう少し胸のメカを見せたいので ちょっとアングルを変えてみます。

すると2枚目の画像のように
イイ感じで後ろに蹴り出していた足が腕の後ろに隠れてしまう。
これでは「銃を構えてこちらに跳んでくる」にも見えてしまいます。
(足だけではなく顔の向きの影響も大きいですが)

ので、足を動かしたり腕のほうを動かしたり腰の角度を変えたりとか色々。

気が付くとモニター越しにカッコよくても、
横から見たら不自然な恰好になってたりもします。

まあ、あまり細かいとこばかり気にしてもあれなので
最初に自分がカッコいい、と思った印象を大事にするのが
一番ではありますが。

アッセンブルボーグ ネクサス


余談ですがこれぐらいにぐぐっと寄ると
いくら絞ってもピントが合わないとこが出てきます。
その場合はマニュアル操作でちょっとずつピンをずらして撮影して
あとでフォトショで合成して全体にピンが合ってるようにします。

画像に合わせて
マスクを部分的にボカして切り取る時もありますが
かなり手間なので あまりやりません。

あと、アッセンの場合ボディの質感がああなので
手足が重なってるとパッと見、どんなポーズなのか解りにくくなったりします。

だからポージングの段階で、同じ質感のパーツがあまり重ならないようにしています。

重なってた方がカッコいい時は
CGでブレやボカシ、煙などを加えたり
照明や映り込みを工夫して手前のパーツの輪郭を目立たせます。わざとらしくない程度に。

ASSEMBLE BORG


何だかこの項、解りにくくなってしまったなあ。
撮影時に場当たりでやる事が多いので、うまく説明ができないようです。申し訳ない。
終わり。 (2019.2.16)