マスターボックスという模型メーカーがある。ウクライナに。
今一番「ダイナミックに開発している企業」だ。
ある意味多彩すぎる商品ラインナップ。
ちょっとクセのあるプラの質。たまにパーツの合いが悪い。
箱の大きさが統一されているのでモノによっては箱の中身の95%がウクライナの空気。
箱絵と中身が似ていない等、色々とダイナミックだ。
それらをも含めて楽しむ大人のためのプラモデル、マスターボックスのキットをいくつかご紹介。
オデッサの風を感じてほしい。
※日本語の商品名は私が勝手に付けたものです。
2019.1.16.追記
久しぶりにMasterBoxのサイトを「このページを訳す」で開いたら
「ダイナミックに開発している企業」が「動的に発展している企業」になっていた。少し残念。

●捕まっちゃったドイツ兵
German Captives, 1944
見ての通りの状況だ。
箱の絵と中身がちょっと違うが気にしない。
ドイツ兵のくたびれた感じとかイイよな。
顔はかつてのマスターボックス特有?の四角顔だ。
もう何年も下塗りのまま止まってる。
無精ひげとか服の汚れとか、ちゃんと塗ろう。いつか。


●フレンドリーボクシング
Friendly boxing match
British and American paratroopers, WW Ⅱera MB35150
米英兵士による友好的拳闘試合。
観客のポーズとか表情がすごくいい。
箱絵では白人同士の試合なのに、キットでは片方黒人だ。そんなの全然OKだ。
しかし俺は顔をある程度塗っちゃうと、もう他は適当でイイらしい。よくないけど。


みんな、いい顔してるなあ。特に子犬を抱いてるヤツなんかもう。

●裸女と世界大戦
Us and German paratroopers The south of Europe, 1944 MB35157
あの大戦下でこんな事あるわけがない。
そして21世紀にこんなプラモデルが発売されるわけもない。
夢。すべては夢なのかもしれない。
人生とは何なのか。そんなことを考えさせる逸品ではないかと。
しかし俺はおっぱいを塗っちゃうともう他は適当でイイらしい。

下半身のパンツだか水着だかは無しにした。
右の女の人はもっと前屈みだったのだが
腿の付け根に足を接着する際に
パテを挟んで上半身を少し起こした。
本当は腰の辺りも切断して箱絵みたいに
ぐぐっと背中をそらしたかったのだが
「やめておけ」と模型の神の声がした。
やめて正解。
きっと俺の腕では取り返しのつかない事になっていたと思う。
あと2人共ひざから足首にかけて、ちょっと削ってます。
何故か双方とも半笑いで相方に手を。
●メイド喫茶 ナナとモモコ
Maid cafe girls. Nana and Momoko MB35186
どうしてこんな事になってしまったのか。
ウクライナで何があったのか。
あの社会情勢のさなか、このような金型が彫られ
熱熔解したプラスティックが射出成型されたというのか。
箱詰めされ、日本へ運ばれ
俺は何もわからないままポケットから財布を取りだすのか。
そして彼女は何故こんなにのけぞっているのか。
首を下向きに改造してロボット的仁王立ちをさせる為なのか。戦車の上のおっさんと会話をするためなのか。
俺は何もわからないまま色を塗るしかないのか。
誰も答えてくれない静寂の中、俺はこの状態を静観している。